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2005年9月17日 (土)

白い巨塔。

皆さん、ドラマ「白い巨塔」はご覧になったことあります?

一昨年、再ドラマ化されて、高い視聴率をとったドラマです。
石坂浩二が東教授役、唐沢寿明が財前五郎役を演じていました。
教授の椅子をめぐる病院内の権力闘争と、医療訴訟を通して
医師の使命と生命の尊厳に迫る社会派ドラマでした。

18年前に田宮ニ郎主演の衝撃作として
お茶の間を賑わしたこともあったそうですが、
わたしは小さかったのでそちらは覚えていません。
ですから、新鮮なイメージで毎週楽しみに見ていました。

そのドラマの中でも驚いたのが「教授回診」のシーンです。
特に、教授が多くのお供を引き連れて歩くシーンは
「あり得ない」と思ったもんです。

入院中は初めから期待していたわけではありませんでした。
まさか本当に教授が回ってくるとは思っていませんでした。
想定外です。

教授回診は週一回。
(それ以外の日は、若い医師たちが回ってきます。)
ある日の午前中にやってきました。

事前に「キョウジュカイシンが・・・」という放送が聞こえたのですが、
まったく気づきませんでした。

露払いのように師長さん(昔の婦長さん。今はこう呼ぶそうです)が、
「教授回診です!」と声をかけながら、
各病室のカーテンを開けて回って来ました。

「何、何、何!」
「教授大先生が直々に回ってくるヤツが、来る!?」

慌てましたが、「白い巨塔」を熱心に見たわたしは、
すぐに事態を理解し、すぐに興味本位な期待感で
いっぱいになりました。
頭はすでに「東教授」「財前教授」です。

なかなか来ませんでしたが、
寝ているのも失礼かと思い(患者だけど)、
ベッドで上体を起こして、何とかアグラをかきました。
なぜかドキドキしてきます。

ガヤガヤとした声が近づいてきました。
ついに先生方が20名ほどバラバラと入ってきました。

ドラマでは、一糸乱れぬ隊列を組んで廊下を闊歩し、
ベットを取り囲むシーンがありましたが、
実際は後ろの先生方が、
我関せずとペチャクチャと話をしていました。

ちょっとガッカリしました。
「ドラマではもっとキチンとしていたぞ」と
駄目出ししたい気持ちになりました。

しばらくすると、医師たちの中心にいる、
髭を生やした立派な紳士に気づきました。
名札を見るとこの病院の脳神経外科の権威、
教授先生の名前でした。
見るからに立派な教授先生です。初めて見ました。

大部屋に入ると、順番にベッドを回っていくのですが、
たまたま最後になったわたしは、自分のベットに来るまでの間、
注意深く先生方の様子を見ていました。

教授先生は患者の様子を見ながら、
患者の現状を説明する担当医師の話に耳を傾けます。
そして一言二言、気づいたことを患者に話しかけるのが常のようでした。

教授回診とは、教授が自分を診察してくれることなのかと
思っていました。
実際は、担当医師が患者の現状を報告する機会となっているようでした。

そうして順番が来るまでの間、いろいろ想像を働かせました。
教授先生は次の椅子を誰に譲ろうと考えているのだろうか。
(ジロジロ)
わたしの担当医師は、昇進ラインに乗っているのだろうか。
(あまり傍についていないなぁ)

そんなことを考えるうちに、自分の番になりました。
多くの医師が、わたしの顔を眺めます。
年甲斐も無く恥ずかしく、照れ隠しで笑ってしまいそうになりますが、こらえて教授先生を見ました。

担当医師は、分からない専門用語(たぶんドイツ語)で、
すばやく現状を報告します。
たぶん手術後、わたしに説明のあった内容を話していると想像しました。

担当医師の説明に「右目が・・・」というフレーズが聞こえた後、
教授先生はわたしに質問しました。
「右目ははっきり見えますか?」

しばらく考えてから、素直に言葉を選んで、
「下の方と右端を見ると、霞んであまり見えません。」と答えました。

すると慌てて、担当医師が早口で補足説明をします。
「いやいや、それは両目で見た場合であって、片目で見た場合は問題ないよね?ね?」
念押しするような言い方でした。

担当医師にとってなんかまずい返事をしたらしい。
すぐに「そうですね、片目でなら、問題ありません。」と答えました。

担当医師のあの慌て様。
こりゃ、減点されて教授の道が遠のいたかなとちょっと心配になりました。

教授先生は立派なひげがいかにも権威の象徴らしかった。
東教授役の石坂浩二よりも強そうで、一目で偉い人とわかる先生でした。

担当医師は、財前教授みたいに野心家には見えなかったし、
唐沢寿明みたいに若くもありません。

ただ担当医師は、手先が器用で職人気質の先生という噂で
したから、腕がいいなら、選んだこっちには
全く問題なかったよなぁとあらためて思ったりしました。

野心家過ぎて、財前先生のように
医療ミスを起こされては困りますし。

きっと現実は、フィクションよりも微に入り細のドラマがある
のだろうなどと勝手に思って面白がったのでした。

わたしにとって教授の口は別に関係ないけど、
それでも、なんとなく担当医師を応援したくなりました。
尚更、さっきの返事で減点されていないかちょっと心配になります。

受け答えで間接的に担当医師に迷惑が行くのでは、
患者も気をつかうものなのだなぁと思ったりしました。

教授たちが去っていった後は、再び大部屋にのんびりした雰囲気が戻ってきました。

教授回診は、若干違うところもありましたが、
案外、あのドラマは現実を忠実に再現していたんだなと思いました。

現実とフィクションを照らし合わせながら味わった「教授回診」。
かなり面白かったですね。

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コメント

>TOYさん

またまたコメントあっザス!
って、訂正コメントですね。

わざわざすいません。

元気でやってますから、
心配しないでくださいね。

投稿: nico | 2005年10月 4日 (火) 10時46分

あちゃ~やっちゃった~

故田宮二郎じゃなくて故佐田啓二が
中井貴一の父ちゃんでしたよ~。

改めて訂正致します。 m(_ _)m

投稿: TOY | 2005年10月 4日 (火) 01時58分

>TOYさん

こんにちわ。いつもコメント、あっザス!
元気でいますよ。

なかなかブログを更新しないので、
心配されました?

ちょっと違うことに夢中だったもので。
その内容はまたブログにて。

田宮二郎さんを全然知らないんですよね。

だって僕ら小2でしょ?
その頃、そんなドラマ見ていたなんて、
ちょっと、おませさんだったんでは。

(当時のわたしは愛人の意味を
 知らなかったと思うんで。)

投稿: nico | 2005年9月21日 (水) 14時16分

ボキ的には白い巨塔って故田宮二郎のイメージっすわ。
(中井貴一の父ちゃんね!)

リメイクした江口&唐沢は見ていないので...

お偉い教授が取り巻き引き連れてゾロゾロやって来るより、
婦長さんが看護婦さんをゾロゾロ引き連れて
来てくれた方が嬉しいかな?

投稿: TOY | 2005年9月19日 (月) 17時39分

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